Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する
Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する方法と、対応機種をまとめました。
公開日: 2020.8.17
想定するゲーミングPC
ゲーミングPCと一言に行っても、どの程度グラフィック性能を使うゲームをプレイするのかによって、必要なスペックが変わってきます。ブラウザゲームレベルであれば、Intel NUCはゲームPCとしては十分ですし、外部グラフィックカード(dGPU)が必要なゲームについては、Intel NUC単体ではプレイすることはほぼ不可能です。
今回は外部グラフィックカード(dGPU)が必要なゲームをIntel NUCでプレイする方法をみていきます。
Intel NUCで外部グラフィックカード(dGPU)を使う方法
PCI-Eスロット搭載モデルを選ぶ
一部モデルをのぞいて、Intel NUCには外部グラフィックカードを搭載するためのPCI-Eスロットが搭載されていませんし、そもそも外部グラフィックカードを搭載するだけのスペースもありません。
そんな中、Intel NUC 9 ExtremeとIntel NUC 9 Proは、Intel NUCで唯一、自分で外部グラフィックカードを取り付けできるモデルです。PCI-Eスロット搭載が搭載されていますが、搭載できるのはこのシリーズに対応した特殊なGPUだけとなっているのが注意点です。
モデル名 | 型番 | CPU | TDP |
---|---|---|---|
Intel NUC 9 Extreme | NUC9i5QNX | i5-9300H | 45 W |
Intel NUC 9 Extreme | NUC9i7QNX | i7-9750H | 45 W |
Intel NUC 9 Extreme | NUC9i9QNX | i9-9980HK | 45 W |
Intel NUC 9 Pro | NUC9V7QNX | i7-9850H | 45W |
Intel NUC 9 Pro | NUC9VXQNX | Xeon E-2286M | 45 W |
eGPUボックスを使う
Thundlerbolt3が公開されてから、対応製品がリリースされてきたのが外付けGPUケース(eGPUボックス)です。
電源付きのGPU専用ケースに、市販のGPUカードを取り付けることで、Thundlerbolt3接続でPCのGPUとして認識させることができます。
Intel NUCは、Thundlerbolt3に対応しているモデルがあるので、eGPUが利用できます。
この方法は、Thundlerbolt3に対応しているNUC全般で使えるほか、外部グラフィックカードを自分で選べるため、Intel NUC 9 ExtremeやIntel NUC 9 Proを購入するよりも、低価格でIntel NUCをゲーミングPC化することができます。
Thundlerbolt3に対応したIntel NUCは下記のモデルです。
型番 | CPU | TDP |
---|---|---|
NUC7i7BNH | i7-7567U | 28 W |
NUC7i7BNHX1 | i7-7567U | 28 W |
NUC7i5BNH | i5-7260U | 15 W |
NUC7i5BNHX1 | i5-7260U | 15 W |
NUC7i5BNK | i5-7260U | 15 W |
NUC8i7HNK | Core i7‑8705G | 65 W |
NUC8i7HVK | Core i7‑8809G | 100 W |
NUC8i7BEH | i7-8559U | 28 W |
NUC8i5BEH | i5-8259U | 28 W |
NUC8i5BEK | i5-8259U | 28 W |
NUC8i3BEH | i3-8109U | 28 W |
NUC8i3BEK | i3-8109U | 28 W |
NUC8i3PNH | i3-8145U | 15 W |
NUC8i3PNK | i3-8145U | 15 W |
NUC8v5PNH | i5-8365U | 15 W |
NUC8v5PNK | i5-8365U | 15 W |
NUC8v7PNH | i7-8665U | 15 W |
NUC8v7PNK | i7-8665U | 15 W |
NUC9i5QNX | i5-9300H | 45 W |
NUC9i7QNX | i7-9750H | 45 W |
NUC9i9QNX | i9-9980HK | 45 W |
NUC9V7QNX | i7-9850H | 45 W |
NUC9VXQNX | Xeon E-2286M | 45 W |
NUC10i3FNH | i3-10110U | 25 W |
NUC10i3FNHF | i3-10110U | 25 W |
NUC10i3FNK | i3-10110U | 25 W |
NUC10i5FNH | i5-10210U | 25 W |
NUC10i5FNHF | i5-10210U | 25 W |
NUC10i5FNHJ | i5-10210U | 25 W |
NUC10i5FNKP | i5-10210U | 25 W |
NUC10i7FNH | i7-10710U | 25 W |
NUC10i7FNHC | i7-10710U | 25 W |
NUC10i7FNK | i7-10710U | 25 W |
NUC10i7FNKP | i7-10710U | 25 W |
第7世代以降のCore iシリーズCPU搭載Intel NUCは基本的にはThundlerbolt3に対応しています。(第7、第8世代モデルには、一部非対応モデルもあり)
また、廉価版であるCeleron/Pentiumを搭載したIntel NUCは、基本的にThundlerbolt3には非対応です。
Intel NUCで外部GPUを使う際の注意点
CPUの性能がなるべく高いモデルを選ぼう
Intel NUC 9 ExtremeとIntel NUC 9 Proについては、そもそもハイエンドCPUが搭載されているので問題ありませんが、それ以外のIntel NUCで外部GPUを使う場合は、GPUの処理能力をCPU性能が足を引っ張ることことを注意しておきましょう。
基本的にIntel NUCのCPUは薄型ノートPCに採用される「Uシリーズ」なので処理性能が高くありません。特に、古い世代のIntel NUCであればあるほど、GPUの処理能力ではなくCPU性能がゲーミング性能のボトルネックなります。
できれば、第8世代以降の8コア以上のCPUを搭載したIntel NUCを選ぶようにしましょう。
電気代が高くなることを知っておこう
eGPUボックスを使う際は、eGPUボックス自体に高出力電源が搭載されていて、Intel NUC数台分の電気代を食います。Intel NUCが60Wくらいの消費電力に対して、eGPUボックスはグラフィックカードによっては200Wほど電気を消費します。Intel NUCと同じ感覚で使っていると、電気代が膨れあがるので注意しましょう。
騒音が大きくなる可能性もあり
また、GPUをフル活用するようなゲームだと、Intel NUCのCPUファンとeGPUのGPUファンが、どちらもかなりのうるさくなるため、環境によってはゲームの音が聞こえないということもありえます。普段は静かなIntel NUCも、負荷をかけるとかなりCPUファンがうるさくなります。特に、テレビのスピーカーでゲームをする際には大きな問題になるかもしれません。
せっかく高いeGPUボックスを買ってもうるさくて使えないので意味がないので、そうしたIntel NUCとeGPUケースの置き場所も考えた上で組むようにしましょう。
Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する方法を見てきました。
ここ1,2年で発売されたIntel NUCであれば、Thundlerbolt3に対応しているものがほとんどなのでeGPUで簡単にゲーミングPC化できます。
普段遣いの時はeGPUを外して静音PCとして使って、ゲームの時だけeGPUを取り付けるというのもありですね。
Intel NUCの使い道を広げてくれるIntel NUCのゲーミングPC化。ぜひ検討してみてください。