USBディスプレイアダプタの選び方と使う際のポイント
USBディスプレイアダプタの選び方と使う際のポイント
公開日: 2020.7.7
USBディスプレイアダプタとは?
その名の通り、USB接続のディスプレイアダプタ。通常、ディスプレイ出力はマザーボードかグラフィックボードが担う機能ですが、映像出力端子の少ないノートPCなどで気軽に出力ポートを増やせるのが大きなメリットです。
USB type-Cハブを経由する「変換アダプタ」とは違うので購入する際は注意しましょう。
USBディスプレイアダプタはグラフィックボードと何が違う?
表示ディスプレイ枚数を追加したかったらグラフィックボードを追加するのが定番の方法です。
グラフィックボードとUSBディスプレイアダプタの違いを見てみましょう。
グラフィックボード | USBディスプレイアダプタ | |
---|---|---|
描画遅延 | なし | ややある |
パーツ価格 | 高い | 安い |
消費電力 | 高い | 低い |
システムへの負荷 | ほぼない | 高い |
対応PCの広さ | 狭い | ほぼすべてのPCで使える |
ポイントとしては、コスパの部分でUSBディスプレイアダプタは数千円の追加投資で、ほぼ電気代は変わらずディスプレイを追加することができます。
一方で、グラフィックボードはボード自体の値段も安くはなく、消費電力も増えてしまいますが、描画遅延もなくシステムが重くならないのが大きなメリットです。
USBディスプレイアダプタの選び方
接続方式はUSB 3.0を選ぼう
USBディスプレイアダプタはUSB 2.0接続ものが多いですが、可能ならUSB 3.0のもののほうがデータ送信が高速化するため、安定する可能性があります。ただ、USBディスプレイアダプタはドライバ側のデキに左右されやすいので、USB3.0だから確実に描画遅延が起こらないとは限りません。
そのあたりは実際にそのアダプタの購入した方のレビューなどをチェックしましょう。
対応解像度、対応枚数、対応OSをチェックしよう
USBディスプレイアダプタはメーカーによって
- 対応解像度
- 対応枚数
- 対応OS
が異なります。安いものほど対応する幅が狭くなりますが、将来のOSアップデートや違うOSへの機種変更に強くなり、結果として長く使えるようになります。
筆者が使っているUSBディスプレイアダプタはもう10年ほど前に購入したものですが、WindowsにもMacにも対応しているので、10年経っても現役です。
USBディスプレイアダプタを使う際のポイント
CPUには負荷がかかることを覚えておこう
従来映像出力はGPUが担うものなので、当然マザーボードやグラフィックボードの外部出力機能は安定していて高性能です。一方で、USBディスプレイアダプタは”本来映像を専門ではない”CPUに映像出力を担当させるので、CPUに高い負荷を与えます。
とはいえ、現行世代のCPUは高性能なので、現行のIntel Core i3以上のCPUを搭載しているのであれば、USBディスプレイアダプタがシステム全体に影響を与えることは少ないでしょう。
逆に、CeleronやCore Mシリーズなどのローレンジ・ミドルレンジ向けCPUを搭載したPCの場合、そのそもCPUの処理能力がそこまで高くないので、USBディスプレイアダプタを使うことでシステムが不安定になったり、重くなったりすることがあります。
本来は、映像出力ポートが省略されることが多いCore Mシリーズなどの省エネノートPCこそ、USBディスプレイアダプタを使いたいところですが、システム全体にかなり負荷がかかることだけは覚悟しておきましょう。
枚数が増えるごとに重くなる
通常の映像出力ポートであれば、ディスプレイ枚数が増えてもそこまでシステムが重くなることはありません。しかし、USBディスプレイアダプタの場合は「枚数が増えれば増えるほどシステムが重く」なります。
USBディスプレイアダプタは、グラフィックボードを追加しないでも4枚以上のディスプレイ表示ができるなど、コスパが高くて使い勝手の良いアイテムですが、CPUへの負荷を考えると、トリプルディスプレイ以上を構築するのであれば、出来ればグラフィックボードを追加したほうが良いでしょう。
描画遅延は使い勝手に直結。無理のないマルチディスプレイ環境を選ぼう
実際に使ってみるとわかりますが、USBディスプレイアダプタを使った際の描画遅延は作業の快適さに直結します。
せっかく作業環境を快適にするためにマルチディスプレイ環境を構築するのに、描画遅延で使い勝手が悪くなっては元も子もありません。場合によっては、USBディスプレイアダプタを使って枚数を増やすよりも、解像度の高い大きめの液晶ディスプレイを一枚使うほうが快適になることもあるので、バランスを考えて選ぶようにしましょう。