AMD RyzenシリーズはIntel Coreシリーズよりコスパが良いのか検証のサムネイル

AMD RyzenシリーズはIntel Coreシリーズよりコスパが良いのか検証

AMD RyzenシリーズはIntel Coreシリーズよりコスパが良いのか検証しました。

公開日: 2020.7.20

Intel Coreシリーズ vs Ryzen シリーズのコスパを計算

まずは、AmazonのCPU単体価格とGeekBenchのベンチマークスコアから、GeekBenchの1点あたりのコストを出します。

Intel Coreシリーズは、第10世代の統合データがなかったため、1世代前の9世代で比較しています。ベンチマーク上はRyzenの方が有利になってしまいますが、1世代前なので、Intel Coreシリーズの方が価格がこなれているため、コスパ比較という意味ではそこまで影響ないかと思います。

CPUAmazon価格(2020.7)GeekbenchシングルGeekbenchマルチGeekbench 1点あたりのコスト
AMD Ryzen 3 3100¥14,17011164727¥3.0
AMD Ryzen 5 3500¥17,37111264816¥3.6
AMD Ryzen 7 3700X¥39,97812548648¥4.6
AMD Ryzen 9 3900X¥60,889127912044¥5.1
Intel Core i3-9100¥13,74210743289¥4.2
Intel Core i5-9400¥19,98010754659¥4.3
Intel Core i7-9700¥38,38212176641¥5.8
Intel Core i9-9900¥58,66112647878¥7.4

全てのシリーズでRyzenの方がコスパが良い

エントリーシリーズである、Ryzen 3とCore i3を比較をすると、Geekbench 1点あたりのコストが1.5倍ほど違うため、単純なCPUのコスパを考えるとRyzenの方がコスパが良いと言えます。

メインシリーズのRyzen 5とCore i5の比較ではエントリーシリーズほどの差はありませんが、それでもRyzenの方がコスパが高くなります。

Ryzen 7、Ryzen9、Core i7、Core i9などのハイエンドラインでは、最大で1.5倍ほどの差が出ており、ハイエンドラインでもRyzenのコスパは圧倒的です。

コスパのキーとなるグラフィックボードをどうするか?

RyzenシリーズがiGPU機能がない(Gシリーズを除いて)のに対して、Intel CoreシリーズはiGPUを搭載しているため、追加のグラフィックボードコストがかからないのが大きな違いで、グラフィックボードコストを追加すると、Ryzenシリーズのがコスパが悪くなるケースがあります。

グラフィックボードは中古のものであれば2,000円程度で入手できるので、グラフィック性能を求めないのであれば、一回中古で安いボードを買って使い回せばコスパは高くなります。

電気代はどうか?

Ryzenの場合、グラフィックボードを利用する分、消費電力はどうしても大きくなります。

また、AMD Ryzen 9 3900XのようにTDPが105Wと消費電力が大きいCPUもあるため、CPU単体の電気を含めたコスパを考えるとトントンになるケースもあります。

電気代は処理コストあたりのコスパに直結するので、CPUを比較する際はしっかりとチェックが必要です。

結論:RyzenはCPU単体ではIntel Coreよりもコスパが高い。トータルではケースバイケース。

先ほどの表の通り、Ryzenシリーズは非常にコスパが高いCPUだということがわかります。

ただし、グラフィックボードや電気代も含めた場合は、PCの構成や利用用途によって「Intel Coreシリーズと同じくらいのコスパ」になることもあるので、PC全体として考えた際に、「Ryzenがコスパが良い」とは一概には言えません。

CPUの処理だけがあれば良いサーバー用途などでは、Ryzenはコスパが良いことは間違いありません。同じように、グラフィックボードを搭載するPCの場合は、iGPUがあってもどの道グラフィックボードを購入するコストはかかるため、コスパはRyzenが断然よくなります。

逆に、グラフィックボードを必要としない普段使いのPCと考えた際には、iGPUを搭載するInte Coreシリーズのコスパが高くなります。

RyzenかIntel Coreか?という選択肢が出てきたのは利用者からすれば嬉しいところですが、利用用途などと相談してしっかりと選ぶ必要がありそうです。