Intel NUCで超省エネ静音自作PCを作ろう
超省エネ静音PCに最適なIntel NUCモデルの選び方をまとめました。消費電力や処理性能からの比較や、用途ごとの最適な超省エネ静音Intel NUCの選び方など。
公開日: 2020.8.17
TDPが10W以下のIntel NUCを選ぼう
省エネ・静音PCを作るのであれば、CPUのTDPは10W未満がオススメです。
Intel NUCの中でも、TDPが10W未満のモデルは下記のモデルになります。
モデル名 | CPU | TDP | GeekBenchスコア(マルチ) |
---|---|---|---|
DN2820FYKH | Celeron N2820 | 7.5 W | 352 |
DE3815TYKHE | Atom E3815 | 5 W | 245 |
NUC5CPYH | Celeron N3050 | 6 W | 339 |
NUC5PPYH | Pentium N3700 | 6 W | 687 |
NUC5PGYH | Pentium N3700 | 6 W | 687 |
NUC6CAYH | Celeron J3455 | 10 W | 1014 |
NUC6CAYS | Celeron J3455 | 10 W | 1014 |
NUC7PJYH | Pentium J5005 | 10 W | 1432 |
NUC7CJYH | Celeron J4005 | 10 W | 708 |
NUC8CCHKR | Celeron N3350 | 6 W | 527 |
CeleronかPentiumモデルになります。
消費電力を重視するなら、TDPが6Wでありながらスコアが高い「NUC5PGYH(Pentium N3700)」が良いでしょう。
処理能力を重視するなら、ベンチマークスコアが高い「NUC7PJYH(Pentium J5005)」がオススメです。ただ、Intel NUCに搭載されているCPUは、Core iシリーズでもTDPが15Wものもが多いので、消費電力にこだわらないのであれば、TDP15WのUシリーズ・Core iモデルでも良いでしょう。TDP 15WのCore i7 8665Uを搭載した「NUC8v7PNK」であれば、ベンチマークスコアも3003とグッとあがります。
ストレージはSSDを選ぼう
静音性を重視するのであれば、内部ストレージはSSD一択です。
最新モデルではNVMeスロットが搭載されているので、Intel NUC内部のエアフローも確保できるNVMe接続のSSDが良いでしょう。
性能と静音性の関係に注目しよう
超省エネ・静音PCを作る際に気をつけたいのはPCにどれくらいの負荷をかけるかです。
例えば、世代の古いCeleron N2820と搭載したDN2820FYKHだと、重い作業をすると常に最大電力を使って処理をします。マシンへの負荷も高いため、CPUファンが常時轟音で回転するということもあるでしょう。一方で、ハイスペックなCore i7-8665Uを搭載したNUC8v7PNKであれば、理論上はCeleron N2820の1/10の電力で同じ処理ができるため、消費電力も静音性も高くなります。
こうした点で考えると、超省エネ・静音PCをIntel NUCで作るのであれば、CPUのワットあたりのベンチマークスコアをチェックすると良いでしょう。
モデル名 | CPU | TDP | GeekBenchスコア(マルチ) | 1ワットあたりのスコア |
---|---|---|---|---|
DN2820FYKH | Celeron N2820 | 7.5 W | 352 | 47 |
DE3815TYKHE | Atom E3815 | 5 W | 245 | 49 |
NUC5CPYH | Celeron N3050 | 6 W | 339 | 57 |
NUC5PPYH | Pentium N3700 | 6 W | 687 | 115 |
NUC5PGYH | Pentium N3700 | 6 W | 687 | 115 |
NUC6CAYH | Celeron J3455 | 10 W | 1014 | 102 |
NUC6CAYS | Celeron J3455 | 10 W | 1014 | 102 |
NUC7PJYH | Pentium J5005 | 10 W | 1432 | 143 |
NUC7CJYH | Celeron J4005 | 10 W | 708 | 71 |
NUC8CCHKR | Celeron N3350 | 6 W | 527 | 87 |
NUC8v7PNK | Core i7 8665U | 15 W | 3003 | 200 |
こうして見ると、必ずしも最新モデルが良いわけでもなく、逆にTDPが高くても1ワットあたりのスコアを考えたら、TDPの高いモデルを選んだ方が良いケースもありそうです。
一方で、メディアサーバーなどのそこまで処理能力が必要ない作業をするPCとして使う場合は、本体価格の高いCore i7モデルなどはコスパがよくありません。そうした用途の場合は、TDPが6Wのモデルが最適でしょう。
Intel NUCで超省エネ静音PCを作る方法をみてきました。
デスクトップPCでありながら、ノートPC用のCPUが搭載されているIntel NUCは静音・省電力性に優れているため、付けっ放しパソコンとしても最適です。
自分の用途にあったモデルを選んで、Intel NUCで静音・省電力PCを組み上げてみてください。