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マザーボードの規格・種類・サイズ・グレードまとめ

マザーボードの規格・種類・サイズ・グレードまとめました。IntelやAMDのチップセットの見方も。

公開日: 2020.8.11

マザーボードの専門用語

マザーボードに関する専門用語で覚えておきたいのは、下記の3つです。

  • フォームファクタ(サイズの規格)
  • CPUソケット(CPUの適合規格)
  • チップセット (マザーボードの制御チップの種類)

サイズの規格である「フォームファクタ」

PCのマザーボードは、PCのモデルやメーカーによってサイズが異なります。例えば、Apple製品のマザーボードは汎用の規格ではなく独自のもので、理路整然として美しいことで有名です。

一方で、パーツ同士を組み合わせて使う自作PCにおいては、共通規格がないと組み合わせられなくなることから、共通規格が用いられています。これがマザーボードの「フォームファクタ(規格)」です。「フォームファクタ = マザーボードのサイズ」と覚えておくと良いでしょう。

マザーボードのフォームファクタには下記のような種類があります。

  • ATX (305mm×244mm)
  • micro ATX / mATX (244mm×244mm)
  • Mini ITX (170mm×170mm)
  • Nano ITX (120mm×120mm)

一般的にタワー型のPCケースにはATXやmicro ATXが利用されますが、最近では小型で高性能な自作PCがブームになってきているため、各社小型のMini ITX規格の製品も多くリリースしています。

CPUの適合規格である「CPUソケット」

マザーボードにCPUを搭載するパーツをCPUソケットと言います。このCPUソケットにはバージョンごとの規格があって、適合したもの同士でないと搭載することができません。

例えば、Intelの最新第10世代CPU向けのCPUソケットは「LGA1200」で、Intelの第10世代CPUしか搭載できません。最新マザーボードだからといってAMDの最新CPU搭載できませんし、同じIntelだからといって、第9世代のCPUは搭載できません。

一方で、AMDのCPU向けソケットは2017年から「AM4」が主に採用されていて(一部sTR4やFM2+がある)、「一度マザーボードを買えば長く使える」というのがAMDの強みとも言われています。

Intel用マザーボードのように「新しいCPUが出るたびにマザーボードも買い替え」しなくて良いため、パーツを組み合わせる自作PCに向いていると言われます。

このようにマザーボードには適合するCPUがあるため、マザーボードを選ぶ際は、「どのCPUを搭載するのか」を決めて購入する必要があります。

マザーボードを制御する「チップセット」

自作PCに馴染みの薄い方にとって、もっとも複雑怪奇で理解し難いのがこの「チップセット」です。チップセットの種類は、X570のように「英字+数字」の4桁で表されます。

チップセットの最初の英字は「チップセットのグレード」を表します。次の3桁の数字は「チップセット世代(100の位)とグレード(10の位)」を表します。世代(100の位)は大きいほど新しく、グレード(10の位)は大きいほど高性能になります。

チップセットのグレードによって、オーバークロックの可否や搭載されるSATAソケットやPCIレーンの搭載数が異なります。

Intelのチップセット型番の見方

Intelのチップセットは、グレードを判定する最初の英字が

  • Z (ハイエンド/オーバークロック)
  • B (ミドルレンジ)
  • H (ミドルレンジ/ローレンジ)

というクラス分けになっています。

世代を判定する数字の部分は、

  • Intel 400シリーズ(Z490、B460など)
  • Intel 300シリーズ(Z390、B360など)
  • Intel 200シリーズ(Z270、B250など)
  • Intel 100シリーズ(Z170、B150など)

となっています。

AMDのチップセット型番の見方

AMDのチップセットは、グレードを判定する最初の英字が

  • X (ハイエンド/オーバークロック)
  • B (ミドルレンジ)
  • A (ローレンジ)

というクラス分けになっています。

世代を判定する数字の部分は、

  • AMD 500シリーズ(X570、B550など)
  • AMD 400シリーズ(X470、B450など)
  • AMD 400シリーズ(X370、B350など)

となっています。


マザーボードの規格・種類・サイズ・グレードについて見てきました。

基本的には、規格(サイズ)とCPUソケットがわかっていれば問題なく動くのですが、オーバークロックやdGPUを複数搭載するなど、こだわりの自作PCを作る方は、グレードも合わせてチェックするようにしてみてください。